【コロナに負けず】リーガロイヤルホテル東京 代表取締役社長兼総支配人 中川智子氏

  • 2020年10月26日(月)
-COVID-19による需要減に対し、特別な販売促進は行っていますか
特注の大型アクリル板を設置した丸テーブル

中川 COVID-19の影響を真っ先に受けたのはビュッフェ形式の宴席を伴う一般宴会と婚礼だった。一般宴会の需要は徐々に戻り始めたものの、会食を控えるケースが多く、売上が半分以下となってしまうことに頭を悩まされてきた。そこで今月から、安心して食事をしていただくための新しい形式の提案を開始した。

 ビュッフェを避けたいというお客様にはコース料理を用意し、宴会場の丸テーブルには特注の大型アクリル板を設置。椅子同士の間にまで仕切りを設けることで、飛沫を気にせず歓談していただけるようにした。一方、人数が多くビュッフェでなければ難しいというお客様には、ホテルの係が料理を取り分ける形でサービスを再開。今後、忘・新年会シーズンでの利用を期待している。現在は宴会場の1室をコロナ対策仕様のショールームとして展示し、宴席を検討中のお客様にご見学いただけるよう開放している。

アクリル板を設置した宴会用のビュッフェ台

 婚礼に関しては9月頃から人数を絞って催されるケースが増えてきた。10月1週目の日曜日にはCOVID-19後初めて1日4件の予約があり、60名を超える規模の披露宴も開催されている。とはいえ、やはり遠方から家族や友人を招くことに不安を覚えるお客様もいらっしゃるため、「リモート婚」のサービスも行っている。チャペルや宴会場から新郎新婦の様子をZoomで配信し、出席者は画面越しにライブで参加する。よりムードを楽しみながらお祝いができるよう、出席者のご自宅に料理を届けるデリバリーサービスも始めた。通常の結婚式とリモート婚の併用も受け付けている。

 また、挙式と披露宴を別日に開催する「W婚」プランも用意している。今年は親族のみ少人数で挙式を行い、来年友人を招いて披露宴を行うというもので、2回目の美容着付けなどの費用はホテルと協力会社が負担する。「たとえ持ち出しがあっても規模縮小や中止になるよりは」とブライダル担当の課長から出たアイデアで、お客様からもご好評をいただいている。今年延期になった婚礼の予約は来年の4月から6月に移っており、人気の日取りは既に埋まっている状況だ。

-COVID-19の業績への影響はいかがでしょうか

中川 今年の4月から6月の客室稼働率は25.4%。昨年は9割以上埋まっているのが当たり前だったので、大幅なマイナスだ。客室平均単価は19,135円で前年より4,800円下落。売上は対前年比で78.1%ダウンした。

 7月から9月は稼働率31.6%、平均単価は前年より2,500円低い20,500円、売上は対前年比72%ダウン。Go Toトラベル事業の対象外となった東京在住の方向けに実施した「都民限定プラン」が奏功し、第一四半期よりも回復した。チェックイン時にこちらから宿泊の目的を伺うことはしていないが、この期間は「主人の誕生日で」「結婚記念日で」など、宿泊の理由をお話し下さるお客様が多いとフロントのスタッフから報告があった。そこで、記念日での利用にはスパークリングワインとチョコレートをプレゼントするというサービスを行ったところ、予想以上の反響をいただいた。

-今後の需要想定をお聞かせください

中川 2021年度は、訪日については2019年度比で2割程度、国内については7割程度までの戻りを予測している。今後ワクチンの開発が進めば一定数の回復は期待できるが、リモートワークの定着で出張頻度は大幅に下がる。国内需要がコロナ前の水準に近づくのは2022年頃になるのではないかと考えている。訪日に関しては大阪万博開催の2025年頃までは厳しい状況が続くだろう。

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