「旅行をあきらめない」ドラ息子、要介護者へ夢を届ける-ハンディネットワーク インターナショナル代表 春山哲朗氏(後編)

要介護・要支援者にも自己選択を
コロナ禍での試行錯誤から見えた新たな旅行の形

  • 2020年10月7日(水)
ハンディネットワーク インターナショナル代表 春山哲朗氏

 「車いす社長」として介護・福祉業界の第一線で活躍し、メディアにも多数取り上げられた春山満氏をご存知の方も多いのではないだろうか。春山氏の長男で事業を引き継いだ春山哲朗氏は、「要介護者・要支援者ツーリズム」という形で旅行業界に参入し、コロナ禍中にもクラウドファンディングを成功させ、旅行に関わる新しいサービスを提供している。インタビュー後編では、旅行事業グッドタイム トラベルでの具体的な手配例と、コロナ禍で見えてきた新しい旅行サービスについて伺った。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
前編はこちら

-グッドタイム トラベルでは、これまでどのような手配をされてきたのでしょうか

春山哲朗氏(以下、敬称略) 日本国内にとどまらず、ハワイや台湾といった海外への旅行も手配しています。ハワイの例では要介護度5のお客様のご旅行をサポートしました。当時こちらのお客様は、脳梗塞からほぼ寝たきりとなり、身体が拘縮しているためにベッドは20度程までしかリクライニングできず、胃ろうを付け、ご自身で排泄もできない状態でしたが、奥様より、ご主人が若い頃大好きだったハワイをもう一度家族で訪れたいとお問い合わせをいただきました。

 実はこれが我々にとっては初めての海外旅行手配でした。手探りの状態の中、お客様のお身体の状態やご要望を伺い、航空会社や宿泊施設と入念な確認を行いました。海外旅行の場合、出発国毎に航空上の規定が異なるので、機内に持ち込む医療器具に関してはメーカーから仕様書を取り寄せて英訳し、日本と現地双方に安全性を証明する必要があります。ハサミや薬などについてもひとつひとつに日本語、英語での説明を付け、持ち込みの許可を得ました。

 グッドタイム トラベルの旅行では、お客様の状態に合わせて、介護職員初任者研修以上の資格を持つトラベルケア アテンダント(介護士)、トラベルナース(看護師)、トラベルドクター(医師)のいずれかが同行します。こちらのお客様には介護士2名、看護師1名が付き添い、機内で起こり得るあらゆる事態を想定して24時間のケア体制を取りました。

ハナウマベイにて

 今回のご旅行は、ご夫婦と3人のお孫さん、ご主人の弟さん、マッサージの先生というご一行でした。2世代、3世代での旅行には大きな価値があると考えていますが、全員が同じことをして楽しめるとは限りません。介護士や看護師が同行することで、日中はご夫婦とお孫さんとで別行動し、夕食の時間にはそれぞれ何をして過ごしたかを話すという形を取ることもできました。旅の一番の目的であったハナウマベイでは特別なゴルフカートを手配。丘の上から車いすごと砂浜に降り、奥様の念願でもあったビーチでの滞在を実現しました。

 グッドタイム トラベルの一番の面白みは、一度旅行に行くことができると、次の旅行への希望を持つことができることにあると考えています。ハワイ旅行の後、来年は台湾へ行きたいというご希望をいただいたのですが、その間お客様は「次の旅行では座って過ごしたい」と理学療法士や作業療法士の指導の下でトレーニングを重ね、台湾旅行の際には本当に座れるまでに回復されました。

 すべての方に当てはまることではありませんが、少なくとも旅行が好きだった方には、旅行に行けるということはそれだけの価値になり、生きる力になる。旅行がきっかけで日々の生活までも変わることがあるのです。

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